引退届を提出せず、相撲協会を訴えることを明言した蒼国来は厳しい表情だった。解雇になれば、力士の退職金に当たる養老金約530万円を受け取れない可能性が高い。

 13日夜、東京都中央区の荒汐部屋を出る際に「(八百長を)やっていないことを明らかにするために出さなかった。明日(14日)、記者会見をやります」と静かに話した。着物姿で車に乗り込み、部屋関係者とともに弁護士との協議に向かった。

 師匠の荒汐親方(元小結大豊)は部屋関係者を通じて「今でも信じている。疑いが晴れるように一生懸命頑張ってほしい」とコメント。訴訟に出る弟子を見守る構えだ。

 同じく引退届を出さなかった星風は報道陣の前には現れなかった。妻と2人の子供を養う身だが、養老金約220万円にはこだわらなかった。師匠の尾車親方(元大関琴風)は「本人の名誉の問題だろう」と理解を示した。