「相撲伝道師」が23年間の現役生活に別れを告げた。元前頭で、東幕下27枚目の北桜(38=北の湖)が9日に引退し、持ち回り理事会で年寄「小野川」襲名が承認された。小野川親方だった元前頭■司は「千田川」に名跡変更。千田川親方だった元大関前の山は、8日に定年退職している。

 北桜は87年春場所初土俵。01年名古屋場所で幕内昇進し、幕内在位12場所、最高位は新入幕場所の西前頭9枚目だった。04年秋場所では、実弟の十両豊桜と史上5組目の兄弟同時幕内。昨年名古屋場所では、戦後2番目の高齢となる37歳6カ月で再十両を果たした。「体力、気力ともに『いいかな』と、土俵を降りる決意をしました。完全燃焼しました」と瞳を潤ませた。

 大量の塩を豪快にまいたり、徹底したファンサービスで人気だった。「ファンの方から逆に元気をもらって頑張れました。これからは、私生活から厳しく一生懸命やる大切さを伝えたい」。今後は北の湖部屋付きの親方として、後進の指導にあたる。

 師匠の北の湖親方(元横綱)は「最近は、気力はあっても、体がついていっていない相撲が何番かありました。23年間も、よくやってきたと思います」と話した。※■は火へんに華