東前頭6枚目の把瑠都(28=尾上)が、名古屋場所(7日初日)を休場することになった。5日、会場の愛知県体育館で行われた日本相撲協会取組編成会議で発表された。把瑠都は「膝が怖い。(十両に)落ちたくない気持ちはあるが、先のことを考えると今のところはけがを治したい。中途半端な形では出たくない」と決断。全休なら十両陥落が確実で、大関経験者としては大受(現朝日山親方)、雅山(現二子山親方)に続く史上3人目となる。

 関脇だった夏場所7日目の稀勢の里戦で再発させた左膝前十字靱帯(じんたい)と半月板の損傷。途中休場し、治療に専念していた。思った以上に回復が遅く、先月24日の番付発表後はまわしをつけて土俵にはあがったが、軽い運動のみの日々が続いていた。同部屋の十両天鎧鵬や、里山との申し合いも再開できていない状況。師匠の尾上親方(元小結浜ノ嶋)も「今回は(十両に)落ちてでもしっかり治すことが優先。途中からというのも現時点では難しいと思う」と説明した。

 昨年初場所に初優勝し、横綱にもっとも近い大関と言われてきた。右足剥離骨折や左太もも肉離れで2場所連続途中休場の悔しさも味わった。だが、大関陥落後も「目標は大関復帰だけでなく、横綱です」と気力は途切れていない。幕内優勝経験者の十両陥落は、高見山や貴闘力ら過去10人。「エストニアの怪人」として人気も高い、実力者の復活が待たれる。【鎌田直秀】