グラウンドにはいつものように球音が響いていた。奈良県警は11日、詐欺容疑などで奈良産業大硬式野球部の元監督新田泰士容疑者(50)らを取り調べ。“花形クラブ”を舞台にした不祥事に関係者から「残念」「悔しい」との声が漏れた。

 野球部が所属する近畿学生野球連盟の岡本好二理事長(79)は新田容疑者について「尊敬している人だった」としながら「悔しいし情けない。指導が足りなかった。連盟として責任を感じている」と話した。

 奈良県三郷町の山あいにあるキャンパス。総務課職員は「コメントは差し控えたい」「対応する者がいない」と戸惑った様子で対応に追われた。

 奈良産大の野球部はプロ選手も輩出する強豪。昨秋のドラフトでも台湾出身の蕭一傑投手が阪神から1位指名を受けて入団しており、情報学部2年の男子学生(20)は「先輩がプロ野球に入ったばかりなのに…」。

 野球部は問題発覚後、対外試合禁止処分を受け、今春のリーグ戦に出場できずに1部リーグ最下位となった。1、2部入れ替え戦から復帰予定で、キャンパス内のグラウンドでは、この日も学生が朝から練習していた。