<東京6大学野球:慶大2-3早大>◇第8週初日◇5月31日◇神宮

 早大が今秋のドラフト1巡目候補、上本博紀内野手(4年=広陵)の本盗で慶大に先勝した。同点で迎えた7回2死二、三塁から鮮やかにスタートを切り、3-2で競り勝った。4番手の福井優也投手(2年=済美)がリーグ戦初勝利を挙げた。1日の2回戦は、右太もも痛から復活した斎藤佑樹投手(2年=早実)が先発する。

 雨でぬかるむ神宮で、上本は集中力を極限まで高めていた。7回2死二、三塁。「ピッチャーのモーションが大きくて、三塁にいるのに足を上げて投げていた」。カウント2-1から、捕手が本塁から最も遠い右打者外角に構えたのが見えた。広島・福山市で生まれ育ち、釣りとバナナをこよなく愛する野性児が、獲物を狙いノーサインでスタート。人生初のホームスチールを、大舞台で鮮やかに決めた。

 ブルペンで投球練習中だった斎藤も、ダッシュで控室に戻ってリプレー映像に見入った。捕手がタッチすらできない完ぺきな本盗。「周りがスローモーションに見えた」と納得顔だ。

 地元広島などが1巡目候補に挙げるが、今季はここまで打率2割1分6厘と苦しんだ。主将の大役を担い「空回りしていた」と振り返る。1年春から全イニング出場を続ける鉄人で、史上27人目の100安打まであと5本。オールスターで見せた新庄氏の本盗も「これから研究したいです」と不敵に笑っていた。

 主将の大技で先勝し、1日は斎藤が先発する。ブルペンで約50球投げ込み、準備は万端。応武篤良監督(50)は「明日は斎藤です」と予告先発で送り出す。【前田祐輔】