<全日本大学野球選手権:佛教大2-0東北福祉大>◇初日◇8日◇1回戦◇東京ドーム

 今秋ドラフトの目玉左腕、佛教大(京滋)の大野雄大投手(4年=京都外大西)が2安打12奪三振で東北福祉大(仙台6大学)を完封した。最速151キロの直球にツーシームを織り交ぜ、日米スカウト陣の評価を再上昇させた。

 105球のすべてで日米20球団のプロを驚嘆させた。9回2死一、三塁で最後は142キロストレートで空振り三振。ただ9割以上ストレートで押した昨秋明治神宮大会とは違い、12個中7三振は覚えたてのツーシームなど変化球で奪った。

 「完ぺき。あれだけ内角を突く投球といい変化球といい、リーグ戦とは違うスタイルで全国で勝った。左ではNO・1」と巨人山下スカウト部長がうなれば、阪神菊地東日本統轄スカウトは「あのストレートはプロでも打てないよ」と絶賛。ヒーローは「ぼくの今のすべてを出しきるつもりで来ました。これが今の大野雄大です」と胸を張った。

 これで悲願の大学日本代表入りを確実にした。アマ球界最強のキューバ戦先発に左腕起用を考える榎本保監督(54)に「十分な内容」と言わしめた。さらに阪神、巨人など1位候補に挙げる球団を熱狂させ、大野が最高左腕の評価を確定させた。【堀まどか】