センバツ高校野球が明日21日、開幕する。1回戦から好カードが多く、激戦が予想される。初戦の展望は以下の通り。

 【Aゾーン】

九州学院-八戸学院光星

大阪桐蔭-東海大菅生

常総学院-米子北

今治西-桐蔭

 大阪桐蔭は初戦で東京王者の東海大菅生と対戦。エース田中をはじめ昨年の経験者が複数残り、強力打線も健在でここを乗り切れば夏春連覇も見えてくる。東海大菅生は投打の中心、勝俣の出来次第。決め球のスライダーがどこまで大阪桐蔭打線に通用するか。打つ方は徹底マークが予想されるがいかに失投を逃さず打てるか。プロも高く評価するように力は持っている。

 常総学院も総合力が高い。投手陣は2年生の鈴木、樫村の2枚看板。打線は大型の1番打者・宇草から下位まで切れ目なく長打に機動力など小技も絡める。

 昨秋九州王者の九州学院と神宮枠で滑り込んだ八戸学院光星の開幕戦も好カードだ。今治西と21世紀枠出場の桐蔭は公立校同士の激突。

シート打撃で甲子園第1号を放つ東海大菅生・勝俣(撮影・清水貴仁)
シート打撃で甲子園第1号を放つ東海大菅生・勝俣(撮影・清水貴仁)

 【Bゾーン】

立命館宇治-静岡

木更津総合-岡山理大付

奈良大付-敦賀気比

仙台育英-神村学園

 静岡は出場32校中トップのチーム打率4割1分9厘を誇り、チーム本塁打も12本。しかも昨夏の経験者がほとんど残っている。この強力打線が初戦から火を噴いて勢いづけば上位進出の可能性もある。立命館宇治は接戦に持ち込みたいところ。

 木更津総合の2年生左腕・早川は安定感抜群。昨秋は36回を投げ無失点。岡山理大付打線がどうやって攻略するかに注目したい。昨夏4強の敦賀気比はエース平沼が投打の中心。奈良大付は好投手坂口の出来次第か。

 昨秋神宮王者の仙台育英はV候補の筆頭。昨秋大車輪の活躍を見せたエース佐藤が万全なら東北に初めて優勝旗を持ち帰るのも夢ではない。打線は強力。3番平沢はプロ注目の遊撃手だ。神村学園の主砲、山本は昨春センバツで豪快な本塁打を放っている。

甲子園のマウンドで投球練習を行う仙台育英・佐藤世那(撮影・加藤哉)
甲子園のマウンドで投球練習を行う仙台育英・佐藤世那(撮影・加藤哉)

 【Cゾーン】

浦和学院-龍谷大平安

英明-大曲工

県岐阜商-松商学園

近江-九産大九州

 昨春王者の龍谷大平安と一昨年王者の浦和学院が初戦でぶつかる。龍谷大平安はプロも注目する左腕高橋が成長し頼もしい。浦和学院は攻守に鍛え抜かれスキなし。江口、小倉の左腕コンビにどこからでも得点できる打線。相手ミスに乗じて一気に試合を決める勝負強さもある。

 昨秋四国王者の英明は左腕田中の出来がカギ。大曲工は打線に力がある。県岐阜商は152キロ右腕高橋の投球に注目。対する松商学園は接戦に強く機動力もある。近江は昨夏甲子園でも活躍したエース小川が健在。九産大九州はサイド左腕の2年生エース岩田を中心に粘りの野球が身上。接戦に持ち込みたいところだ。

関西創価との練習試合で力投する県岐阜商・高橋(撮影・田崎高広)
関西創価との練習試合で力投する県岐阜商・高橋(撮影・田崎高広)

 【Dゾーン】

糸満-天理

宇部鴻城-健大高崎

二松学舎大付-松山東

東海大四-豊橋工

 昨秋の近畿大会を制した天理は強力打線が武器。1番船曳は俊足、クリーンアップの貞光、坂口、冨木は長打力があり、相手投手陣は気を抜けない。一方の糸満は機動力を使ったスモールベースボールが持ち味。先制点を奪い、天理の焦りを誘いたいところだ。

 宇部鴻城と健大高崎は好カード。宇部鴻城はエース上西を中心にした守りのチーム。健大高崎の機動力をいかに封じるか。健大高崎は得意の機動力に加え、柘植、柴引の強打者コンビのバットにも注目したい。

 二松学舎大付は昨夏の甲子園で1勝を挙げた大江-今村の2年生バッテリーが健在。左腕の大江は170センチと大柄ではないが140キロ前後のキレの良い直球が武器。21世紀枠で出場の松山東には難敵となる。82年ぶり出場の松山東はチャンスを確実にものにしたい。エース亀岡の粘り強い投球にも期待。

 昨夏に続く出場の東海大四はエース大沢の出来がカギ。21世紀枠で出場の豊橋工のエース森は140キロ前後の直球が武器。森の右腕で初出場初勝利を目指す。

甲子園のマウンドからピッチングする二松学舎大付・大江、左は市原監督
甲子園のマウンドからピッチングする二松学舎大付・大江、左は市原監督