第89回選抜高校野球大会は、史上初の大阪勢対決の決勝に勝利した大阪桐蔭が、優勝を飾った。早実(東京)の清宮幸太郎内野手(3年)、履正社(大阪)の安田尚憲内野手(3年)らが、今秋のドラフト1位候補に挙がるのは大方の予想。ここでは、ネット裏でのスカウト取材を通じ、素材の良さや将来性の高さ、非凡な能力などを評価基準に、プロのスカウト陣が挙げた期待の逸材を紹介する。第1回は投手編。(13日に野手編)

 ◆西垣雅矢投手(報徳学園・3年)

 「体の使い方がうまく、理想的な投球フォーム。身長183センチと角度があって、ウイニングショットのフォークは制球、落差ともに◎。センバツ前までは130キロ台後半だった直球も、143キロをマークするなど、今後の伸びしろも期待される」

 ◆松本竜也投手(智弁学園・3年)

 「センバツは故障明けながら、初戦の熊本工戦で完封した。センバツは130キロ台だったが、最速は146キロ。投球フォームのバランス良く、フォークなど変化球も使える。ぶっつけ本番での投球だったことを考えれば、夏に向けてどれだけ成長するかが楽しみ」

 ◆川端健斗投手(秀岳館・3年)

 「センバツで最速148キロをマークしたように、今秋のドラフト上位候補に挙がる素材。真っすぐがシュート回転せず、上からの角度(高低)、横からの角度(右打者へのクロスファイア)も抜群である。腕の振りも良く、西武菊池をほうふつとさせる」

 ◆丸山和郁投手(前橋育英・3年)

 「身長170センチと小柄ながら、体の使い方がうまく、センバツでは最速144キロをマークした。中学時代は捕手、遊撃手を務めるなど、運動能力は抜群。5秒9と俊足でポテンシャルの高さは全国でも屈指のレベルと言える」

 ◆大関秀太郎投手(作新学院・3年)

 「140キロを超えるボールはなくても、直球、スライダー、チェンジアップなどで丁寧にコースを突き、ゲームメーク能力に秀でる。己のピッチングを知るクレバーさ、その一方でマウンドさばきから度胸の良さも感じる」

 ◆百留佑亮投手(宇部鴻城・3年)

 「左のスリークオーターで、腕の振りが◎。チームでの本職は右翼だが、140キロを超える直球に、スライダーの曲がりも良く、将来性を感じさせる。大敗した大阪桐蔭戦で3番手で登板し、2回2/3を投げ、1失点(自責0)に抑えた」

【久保賢吾】

智弁学園・松本竜也投手(2017年3月25日撮影)
智弁学園・松本竜也投手(2017年3月25日撮影)
秀岳館・川端健斗投手(2017年3月27日撮影)
秀岳館・川端健斗投手(2017年3月27日撮影)
前橋育英・丸山和郁投手(2017年3月20日撮影)
前橋育英・丸山和郁投手(2017年3月20日撮影)
作新学院・大関秀太郎投手(2017年3月23日撮影)
作新学院・大関秀太郎投手(2017年3月23日撮影)