4月7日、東都が開幕しました! 

 6連覇を目指す亜細亜大も好発進。昨年の主力選手が卒業し、戦力ダウンを懸念されていたチームを勝利に導いたのは、新戦力の活躍でした。


 4月7日の開幕戦、亜細亜大対中央大。1対1で迎えた9回表。先頭バッターの長谷川頌磨君(右翼・3年)が初球のスライダーをライトスタンドへ。

「打った自分が一番ビックリしています!」

 試合後、興奮しながらそう話してくれました。

 それもそのはず。昨年は春も秋も試合出場はなし。この2年間を通しても、1打席しか打席に立っていない選手。この試合は先発ではなく、7回から代打で登場。この打席は三振。

「もう1打席、チャンスをもらったんだから感謝の気持ちをもって打席に入りました。来たボールは積極的に振っていこうと思っていました」

 大学に入って、試合後の囲み取材を受けるのも初めて。高揚した気持ちを抑えながら、必死に冷静さを保ち言葉を選ぶように話す長谷川君。とっても初々しくて、かわいかったなぁ~!


 天理高校では4番を打ち長打力が持ち味の選手でしたが、大学に入ってからはなかなか木のバットに慣れず試行錯誤の毎日でした。

「この春からバットをしならせることを意識して打つようにしたら打球が飛ぶようになりました」

 体幹と下半身が弱いと言われていた体を、ウエートメニューを変え肉体改造。食事の量も増やし、この冬、体重を7キロも増やしました。

「今までは上半身の力だけで振っていたんですが、今は体幹、下半身も使いバットに力が伝わるようになりました」

 1年から少しずつ積み重ねてきたものが、ここで花開いた。努力と実力が証明した1本でした。


 実は、この日は大阪からお父さんが試合観戦のために上京。

「父の前でいいところを見せたいと思っていて。それができたのが一番うれしかったです!」

 そうそう! 1年春、入学してすぐにインタビューさせていただいたとき、「両親に神宮で頑張っている姿を見せるのが目標です」って話してくれていたっけ。その目標を、こんな大事な場面で成し遂げてくれたね!


 天理高校では2年春、夏、3年春と甲子園出場。3年夏も、と意気込んでいたところ、部内の不祥事で夏の県大会を出場辞退。最後の夏は、甲子園出場のチャンスがありませんでした。最後の夏の舞台を両親に見せられなかった思いが、ずっと心の中にあったのかもしれませんね。


 翌8日には、3対6で落としたものの、9日の第3戦目はエース山崎君の4安打12奪三振の力投と、今リーグからスタメンで出場している板山祐太郎君(3年・中堅)が6回に自身神宮初の満塁ホームランで4点先制すると、8回には1死満塁から牛場友哉君(4年・捕手)のスクイズ、遠藤雅洋君(一塁・3年)、藤岡裕大君(3年・三塁)のタイムリーで4点をあげ8対0と勝利。勝ち点をあげました。


「周囲は6連覇と期待をしていただいていますが、1戦1戦、大事に戦っていく。それだけを考えています」と主将の真野恵祐君(4年・内野手)。

 新戦力の活躍で、その選手層の厚さと底力を見せつけた亜細亜大。そして、どのチームが追随、またその座を奪うのか。

 戦国東都、今年も楽しみなリーグ戦が開幕しました!


左から藤岡裕大君(3年・三塁)遠藤雅洋君(一塁・3年)長谷川頌磨君(右翼・3年)板山祐太郎君(3年・中堅)。今年は3年生パワーに注目です!
左から藤岡裕大君(3年・三塁)遠藤雅洋君(一塁・3年)長谷川頌磨君(右翼・3年)板山祐太郎君(3年・中堅)。今年は3年生パワーに注目です!