第62回春季高校野球東北大会の組み合わせ抽選会が29日、福島市内で行われ、創部67年目で春秋通じ東北大会初出場の登米(宮城3位)は、初戦で青森山田(青森2位)とぶつかることになった。仙台育英、秋田商など強豪が集まったブロックに入ったが、絶好の成長機会ととらえた。大会は6月4日から5日間、あづま球場、開成山野球場で行われる。

 登米が「死のブロック」に入った。初戦は青森2位の青森山田。勝っても仙台育英、秋田商、盛岡大付と甲子園常連校いずれかが待っている。千葉厚監督(36)が「大変なところに入りました」と苦笑いする一方、高橋大喜主将(3年)は「楽しみです!」と声を弾ませた。「どことやっても自分たちより力が上。チャレンジャーとしてぶつかっていく」と話した。

 岩手県との県境にある宮城県北部の登米市。江戸、明治時代の建物が数多く残る歴史ある町が、野球で大きな盛り上がりを見せている。学校内のあちこちに祝福メッセージが張られ、公民館にも「祝・東北大会出場おめでとう」の張り紙が飾られているという。また、26日には布施孝尚市長が学校を訪れ、「甲子園出場も夢ではない」と直々にエールを送ってくれた。「地元のいろんな方に激励の言葉をもらってうれしい」と高橋主将。地元の期待を力に変える。

 チームに派手さは無いが、手足の長いエース右腕白岩聖隆(3年)を中心とした堅固な守備と、機動力を使ってチャンスをものにする巧みな攻撃で県を勝ち上がった。準決勝では仙台育英に逆転負けを喫したが、7回までリード。昨秋の東北チャンピオンを苦しめたことは「自信になった」と高橋主将は言う。千葉監督も「できれば、もう1度やりたい」と再戦を希望した。すべては夏のため。東北の強豪チームとの戦いを、甲子園出場へとつなげる。【高場泉穂】