「キヨミー」VS「セイギ」のガチンコ対決だ。第27回U18(18歳以下)ワールドカップ(28日~9月6日、甲子園ほか)に出場する高校日本代表が今日26日、大学日本代表と壮行試合(午後6時開始、甲子園)を行う。高校対大学の代表戦は史上初で、早実(西東京)清宮幸太郎内野手(1年)がDHでスタメン出場する。大学日本代表は最速155キロ右腕の創価大・田中正義投手(3年)の先発が発表され、両スターが激突。高校日本代表は、東海大相模(神奈川)小笠原慎之介投手(3年)が先発する。

 百戦錬磨の「キヨミー」が思わず目を見開いた。25日、練習後の取材タイム。大学日本代表の先発が創価大・田中と聞かされた時だ。

 「え~。もちろん知ってます。プロ野球との試合でものすごいピッチングをしていたのを鮮明に覚えてます」と興奮した。創価大・田中は、6月29日のNPB選抜戦で7者連続三振を奪い、一躍注目を浴びた。直球とフォーク中心にプロを牛耳った姿を、清宮はテレビニュースでチェック。「すごいですね。なかなかないので楽しみです。出られたらですけど」と笑った。

 対外試合初戦となった前日24日は、「5番DH」で先発したが、4打数無安打3三振に終わった。変化球で3三振を喫し、本人は先発落ちも覚悟した中、西谷浩一監督(45=大阪桐蔭)がDHでのスタメン出場を明言。清宮は「150キロを超えるピッチャーとはやったことがないので、未知の世界ですけど、いずれはそういうピッチャーとやっていかないといけない。その第1歩」と言った。

 将来プロ入りを目指す上で、5歳年上の田中との対戦は貴重な経験になる。記憶の中では、過去対戦した最速は、今夏の甲子園の東海大甲府(山梨)戦で受けた死球の142キロ。「高校1年生で、大学生のエース級の人たちの球を見られるというのは大きな財産。明日の試合を無駄にしたくない」と引き締めた。同じジムに通う慶大・横尾俊建内野手(4年=日大三)との対面も心待ちにする。

 この日は、台風接近のため、関大とのナイターが中止になった。強風が吹く中、予選リーグのメーン会場の舞洲球場で練習を行い、67スイング中3本の柵越えを放った。無安打に終わった前日の反省点は「タイミング」と重点的にチェック。豪華ホテルのシングルルームでの快眠でリフレッシュし、快音を連発した。

 史上初の「高校代表対大学代表」の舞台は大好きな甲子園。観衆が少ない練習試合では集中力を欠くシーンがあったが、「期待してもらっていいと思います」。強気な「キヨミー節」も復活し、心身共に臨戦態勢に入った。【前田祐輔】

 ◆清宮幸太郎(きよみや・こうたろう)1999年(平11)5月25日、東京都生まれ。小学3年で野球を始める。東京北砂リトルに所属した12年のリトルリーグ世界選手権では「4番エース」として5試合で3本塁打を放ち優勝。調布シニアでは一塁手。今夏甲子園では19打数9安打の打率4割7分4厘、2本塁打、8打点の活躍で4強入りに貢献。50メートル走は6秒7。足のサイズ31センチ。家族は両親と弟。184センチ、95キロ。右投げ左打ち。

 ◆田中正義(たなか・せいぎ)1994年(平6)7月19日、横浜市生まれ。小学1年から投手として野球を始める。創価高に投手として入学したが1年秋に外野手転向。3年夏は西東京大会4強。大学で投手に再転向。昨年の大学選手権で最速154キロをマークし、注目を集める。今春の東京新大学リーグ戦では最速を155キロに伸ばし、6勝0敗、防御率0・40で最多勝と最優秀防御率。家族は両親、兄、姉、妹。186センチ、89キロ。右投げ右打ち。