空知地区予選が、道内の他9地区に先駆けて開幕した。美唄尚栄は深川東に19-0でコールド勝ちし、2回戦に駒を進めた。

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美唄尚栄は大勝で8年ぶりの公式戦勝利を挙げた。先発した尾崎翔太(3年)が人生初登板で5回62球を投げて、無安打7奪三振と無失点投球。打撃でも50メートル6・3秒の俊足を生かしてランニング本塁打を放つなど3安打2打点を挙げた。「何とか今年勝ちたいと思っていた」と喜んだ。

小学6年時に野球を始め、投手の練習をすることはあったが、公式戦でマウンドに上がるのは初めてだった。前日4日には午後11時にベッドに入ったが、「試合している風景が思い浮かんじゃって」と、この日の午前3時まで眠れなかった。短い睡眠時間で迎えた人生初マウンドだったが、自身の打点を含む大量得点で心に余裕が生まれた。

チームは16年春の地区予選初戦で栗山にコールド勝ちして以降、白星から遠ざかっていた。昨年夏は地区予選で岩見沢西に逆転サヨナラ負け。この試合に尾崎は中堅手として出場し、先輩が流した涙を間近で見た。道内トップを切って始まった地区予選で開幕試合。北海道1番星に「今日は何としてもピッチャーとして(チームを)勝たせたかった。道内では1番最初の試合で勝っていいスタートを切ったので、次につなげたい」と意気込んだ。【石井翔太】