“北の超特急”が、プロ入りへ向け1歩を踏み出した。今夏の全国高校野球選手権北北海道大会で4強入りした江陵の最速154キロ左腕、古谷優人投手(3年)が28日、プロ志望届を提出し、日本高野連から発表された。北大会終了後、進路について明言を避けてきたが「大学進学と悩んだ結果『プロで勝負します』と本人が言ってきた」と谷本献悟監督(36)。高校生投手に好素材がそろう今秋ドラフトだが「素材的には抜群。外れ1位で消える可能性も」と話すスカウトもおり、評価は高い。

 身長176センチと大きくはないが、ムチのようにしなる左腕から投じる快速球、切れ味鋭いスライダーで、今夏の北大会準々決勝では大会最多の20奪三振を記録した。準決勝で敗れ甲子園出場こそ逃したが、十勝地区予選では帯広の森球場に11球団36人のスカウトを集めるなど、北海道高校球界の話題をさらった。

 全国レベルでの実績はないが、某球団スカウトは「性格は強気でプロ向き。伸びしろもある」とマイナス要素にはならない。大きな決断を下した左腕は来月20日、運命の日を迎える。【中島宙恵】