春夏通算13度の甲子園出場を誇る明桜(秋田)が新体制で8年ぶりの「夏」を狙う。ハローワークなどで監督を公募していたが、昨年まで帝京三(山梨)を指揮していた輿石重弘新監督(53)が4月1日付で就任した。11日からの中央地区大会では新体制後初の県大会出場を5年ぶり7度目の地区制覇で飾る構えだ。

 山梨出身の輿石監督は母校の都留、帝京三の監督を歴任。甲子園出場はないが、帝京三では“人間力”を掲げてヤクルト荒木貴裕やソフトバンク茶谷健太らを育成した。勇退後は教頭職を務めていたが、甲子園への思いを絶ち切れなかった。社会科教諭として採用された明桜では、学生時代以来の寮生活で選手たちと寝食を共にする。「子供の力を信じる。可能性を伸ばしてあげるのが僕の役目」と話した。

 チームは昨年、春の県大会で準優勝。だが、第2シードの夏は3回戦で角館に延長11回3-4で敗れ、秋は地区予選敗退の悔しさを味わった。冬には監督不在の時期も経験した。早坂隼喜主将(3年)は「不安でした。(輿石監督は)メリハリがはっきりしていて話しやすい」と歓迎。輿石監督は「監督がいない時期があったけれど、1人1人が自覚を持って練習している。優勝できる力は持っていると思う。チャレンジャーです」と新天地で甲子園を目指す。【佐々木雄高】

 ◆輿石重弘(こしいし・しげひろ)1963年(昭38)5月21日、山梨・大月市生まれ。都留-明大でプレー。卒業後に地元で教職に就いた。家族は夫人と1男1女。182センチ、92キロ。血液型B。