<高校野球・春季宮城・中部地区大会:仙台商4-11仙台育英>◇6日◇仙台市民球場◇敗者復活戦決勝

 仙台育英が仙台商にコールド勝ちし、Bブロックを制した。高校初先発したルーキー左腕の木村謙吾投手(1年)が4回1/3を6安打3失点。公式戦デビューはほろ苦いものとなったが、期待の秘密兵器が将来性を感じさせる投球を見せた。チームは宮城広瀬球場で7日、この日Aブロックを制した東北と決勝を戦う。

 さすがに浮足立った。5回、それまで3安打1失点と好投を続けていた木村は、先頭打者に四球。その後1死二塁から3連打を浴び2点を献上し、交代を告げられた。計5与四球など、先発の役割はあと1歩で果たせなかった。それでも、7個の三振を奪った。「かなり緊張しました」と話したが、公式戦初マウンドで上々の結果を残した。

 1年生で、ただ1人ベンチ入り。大きな腕の振りから、角度のあるスライダーを投げ込む。4月の練習試合では、6試合に各2イニングずつ中継ぎで登板。計12回をわずか1安打と快投を続けていた。この日の試合後、佐々木順一朗監督(48)は「まるで別人でした」と苦笑いも「公式戦だからって、考えすぎる必要はない。思い切っていけばいい」と、素質を秘めた左腕の今後に期待した。

 同校が00年夏に甲子園に出場した時の4番・宮内健次は、同じ小学校出身の先輩。幼いころから野球の話を聞かされ、同じ強豪校への道を決めた。「今は目の前のことで精いっぱいですけど、先輩みたいに甲子園に出たい」。穂積優輝投手(2年)ら右腕を中心とするチームに、期待の左腕が加わった。【由本裕貴】