昨春センバツで優勝、今夏の甲子園で準優勝した常葉学園菊川(静岡)中川雅也外野手(3年)が25日、新日鉄名古屋に入社内定し、社会人野球の強豪・東海REX(東海市)への入部が内定した。強力打線で4番を張った高校通算20本塁打の長距離砲が、3年後のプロ入りを目標に新たなステージへ進む。また、高校通算19本塁打の樋口政宏外野手(3年)は、同大のスポーツ推薦入試に合格した。

 常葉学園菊川の主砲は、社会人野球の強豪・東海REXに進路を取った。新日鉄名古屋の入社内定を知ると「よかったです。これから勝負なので、次の新たな壁を乗り越えてプロに行きたい」と笑顔を見せた。将来の夢はプロ野球選手になること。社会人に飛び込む理由は、大学進学より1年短く3年でプロ入りが解禁になるためだ。また「高校で使ったお金をコツコツ親に返していきたい」と、親孝行な一面も披露した。

 フルスイング軍団の中でも長打力は抜群で、チーム最多の高校通算20本塁打を誇る。高1秋から5番を打ち、3年春からは4番に座った。県では戦後初となる4季連続甲子園出場の原動力となり、昨春センバツ決勝では本塁打も放った。地元愛知を離れ、静岡で過ごした3年間を「高校生活は充実していた」と振り返る。

 木製バットを使う社会人では中距離砲を目指し、「どんな球でも対応できるし、本塁打も打てる」という中日森野を手本にする。「高校では本塁打を狙ったけど、社会人では率を残せて、なおかつ本塁打を打てる打者になりたい」。夏の甲子園終了後、プロ野球中継を真剣にテレビ観戦し、プロ選手の木製バットの使い方を学んでいる。

 卒業まで残り5カ月。「体力をつけて練習についていけるようにしたい。自分が試合に出て、都市対抗で優勝したい」。現在85キロある体重を70キロ台まで絞り、社会人野球に飛び込んでいく。【斎藤直樹】