<練習試合:花巻東5-3横浜>◇30日◇ベイスターズ

 「ハマのゴジラ」横浜(神奈川)筒香(つつごう)嘉智内野手(3年)が、センバツ準V左腕、花巻東(岩手)菊池雄星投手(3年)とのドラフト1位候補対決を制した。

 横須賀市・ベイスターズ球場で、プロ顔負けの一撃が飛び出した。4回1死、カーブを右翼ポール際に運ぶ高校通算55号の特大ソロ。大リーグ関係者4球団9人、国内球団を含めて約30人のスカウトの目をくぎ付けにした。「手応えはありました」と推定120メートル弾を右翼ネットに突き刺す。直後にベンチに戻ると、すぐに荷物をまとめ始めた。3日前に39度4分の熱を出し、病院で点滴を打って強行出場。練習は3日間休み、前夜は散歩のみ。この日も37度の熱がある中、志願の出場だった。2打席を終えると、関係者の車で球場を去った。

 通算55本塁打は、強打者を多数輩出した横浜高歴代1位だ。マリナーズ山本スカウトは「スイングスピードがずばぬけている。馬力、力、遠くへ飛ばす能力、将来アメリカで活躍できる可能性がある素材」とほれ込む。辛口の小倉部長も「今日はほめてやりたい」と話す会心の一撃。渡辺監督は「一流は一流を知るではないが、お互いに良かったのでは」と満足そうな笑みを浮かべていた。【前田祐輔】