<高校野球・秋季北海道大会:駒大苫小牧10-0浦河>◇19日◇室蘭地区Bブロック◇代表決定戦

 駒大苫小牧が激戦の室蘭地区Bブロックを制し、佐々木孝介新監督(22)体制で初の全道進出を決めた。浦河との代表決定戦を6回コールドの10-0と圧勝。先制2ランを打った選手が次打席で送りバントを失敗すると、即交代させる厳しい采配で、スキのない野球に徹した。

 恩師・香田誉士史元監督(38)も真っ青の厳しい采配だった。佐々木新監督が1回裏に先制の2ランを放った絶好調の4番糸屋裕太捕手(2年)を、4回の守備からベンチに引っ込めたのだ。3-0で迎えた3回裏1死一塁、前打席本塁打の糸屋に「送り」の指示。だがこれが補ゴロ併殺となり追加点のチャンスをつぶしたからだった。

 試合後、指揮官は「うちは4番でもバントは当然。当然のことができないから代えました」とピシャリ。5回には2死から先発の落合祐介投手(2年)が内野安打を許すと、すかさず交代。「要所で四球を出すなど、気持ちが入っていなかった。夏からベンチにいるのに自覚が足りない」と切って捨てた。

 香田元監督もミスをした選手は次試合で外したり、打順を下げたりはした。それでも佐々木新監督ほど、ペナルティー色が濃い交代はほとんどなかった。「香田先生?

 いや、僕の方針です」と、監督就任1カ月半余りで独自色も取り入れつつある。糸屋も「練習でもそうでしたから、バント失敗の後は代えられるだろうな、と」と納得顔だ。

 逆に評価したのは、5回に中前安打を放った高塚翔平一塁手(2年)。途中出場で打撃機会も少なかった選手が結果を出したことを喜んだ。打点もつかない安打だったが、それは関係ない。糸屋に代わった樋渡大喜捕手(2年)ともども、「監督は確実にチャンスはくれる。それを生かせればスタメン出場もある」と全道大会での「反撃」を期した。

 甲子園初V時の主将が新監督ということで、周囲からは現チームへの期待も大きい。だが青年監督は「当時と比較することは全くない。あれは過去のこと。ただ、応援してくれる人々にはまた感動を与えるような試合をしたい。応援してもらえることに感謝して、全道も戦う」。さわやかに締めくくった。