<高校野球・秋季関東大会:東海大相模6-3花咲徳栄>◇5日◇決勝◇千葉県野球場

 東海大相模(神奈川)が花咲徳栄(埼玉)を破り、5年ぶり5度目の優勝を飾った。エース一二三(ひふみ)慎太投手(2年)が3失点完投。バットでも2回に先制2ランを放つなど、2安打3打点と投打に活躍した。チームはすでに来春センバツ出場を確実にしており、14日に開幕する明治神宮大会に出場する。

 優勝の瞬間、一二三は力強いガッツポーズを見せた。この日もエースの独り舞台だった。2回、高めの直球につまりながらも左翼席へ先制2ラン。マウンドでは今大会初めて3点を奪われたが、危なげなかった。「周りがしっかり守ってくれて、感謝の気持ちでいっぱいです」。優勝の立役者は謙虚だった。

 最速149キロ右腕はエースで主将、文字通りの大黒柱だ。今大会4試合32イニングをすべて1人で投げ抜き、打撃でも12打数7安打で打率5割8分3厘、2本塁打、6打点。門馬敬治監督(40)は「彼の背番号は1。打つことも投げることも、リーダーとしても1番ということ」と全幅の信頼を置く。

 関東を制覇しても、一二三に浮かれる様子はなかった。昨夏は県大会決勝で先輩の大田泰示(現巨人)を擁しながら、甲子園を逃す瞬間を間近で見た。前橋工に快勝した前日の試合後でも、サインミスをした1年生への注意を忘れなかった。勝つ難しさを知っているからこそ、妥協は許さない。まずは神宮大会で「一二三」の名を全国に知らしめる。【亀山泰宏】