<高校野球春季北海道大会:北照10-0蘭越>◇14日◇小樽地区3回戦◇小樽桜ケ丘
昨秋全道準優勝の北照が、蘭越を7回コールドで下し、27度目の全道に王手をかけた。この春は大阪出身の1年生、高山大輔中堅手を5番に抜てき。2回戦(小樽工)は無安打に終わったが、この日は1回表に中前に鋭い打球で公式戦初安打を放ち、初打点をたたき出すと、4回にも内野安打と4打数2安打と期待に応えた。
強豪北照で背番号16の1年生高山大が春からクリーンアップの5番を任された。この日最初の打席は2-0で迎えた1回表1死二塁。中前にはじき返し、記念すべき公式戦初安打をマークした。すかさず二盗、暴投で三進。内野ゴロの間に生還し、自身初得点のホームも踏んだ。「チャンスで打つのが自分の仕事」とその役割をしっかりと果たし、笑顔が広がった。
今春の地区で登録された18選手の中では、ただ1人の1年生だ。169センチ、62キロとまだ体つきは先輩たちには劣るが、打撃センスは非凡。4月下旬から5月上旬の練習試合6試合で「チームで1番の打率、5割以上は打ってんじゃないの、思い切りがいい」と、河上敬也監督(52)は迷わずに主軸を任せた。
1年生で北照のクリーンアップを任されたのは最近ではヤクルト西田明央(あきひさ)捕手(19)や元巨人で現在、独立リーグの香川オリーブガイナーズ加登脇卓真内野手(23)らがいる。プロ野球への道を歩んだ先輩同様、高山大も高い潜在能力を秘めている。
生まれは大阪富田林市。野球が盛んな土地柄で、PL学園なども身近な存在だったが、あえて北照を選んだ。昨年夏の甲子園をテレビ観戦。ヤクルトに進んだ又野知弥選手(19)の本塁打に感動した。「ベンチも元気であんなチームでやってみたい」。母伊都子さん(47)を説得し、2人で甲子園に出場中の北照の河上監督を宿舎に訪ねた。そして北照での高校生活がかなった。
初めての寮生活で毎日、伊都子さんから電話が入る。いつも決まって「今日はどうやったん?」の問いかけ。初戦の日は「ダメや」というしかなかったが、この日は母を喜ばすことができる。西田らが歩んだ道をまず1歩、踏み出した。【中尾猛】

