昨夏の甲子園で1試合22三振の大会新を記録した今秋ドラフトの目玉、桐光学園(神奈川)松井裕樹投手(2年)の目標は「世界一の左腕になる」だった。5日、川崎市内の同校で初練習を行い、巨人、ヤクルト、広島、阪神、西武、ソフトバンク、楽天の7球団8人のスカウトが集まった。1位候補に挙げるヤクルトは2人態勢で視察。鳥原チーフスカウトは「真っすぐとスライダーですね。あれだけ三振が取れて、空振りも奪える」と評した。

 松井は正午から5時間以上、下半身強化を中心としたメニューをこなした。一塁側ベンチに掲げた目標項目には、「世界一」を究極の目標とした。野呂雅之監督(51)は「なかなか書けない言葉。言ったからには、それに見合うことをやることが大切」と、努力の継続を期待した。サッカー部の4強進出も大きな刺激材料。同監督は「三振を取れるピッチャーだけではなく、勝てるピッチャーになってほしい」と、最大の魅力は失わずに、さらなるレベルアップを求めている。