<高校野球春季山形大会:酒田南11-4米沢中央>◇26日◇3位決定戦◇山形・天童市SC球場

 山形の第3代表決定戦は、酒田南が8回コールドで米沢中央を下し、2年連続6度目の東北大会出場を決めた。楽天・下妻貴寛捕手(19)の松山小時代からの後輩で、先発マスクをかぶる4番三浦颯大捕手(2年)の大会1号本塁打でサヨナラ勝ちした。

 酒田南が、主砲の一振りで二転三転した6回以降の打撃戦に終止符を打った。7回裏に打者一巡(10人)で再逆転。5点リードの8回は、無死一塁から三浦の左越えの特大2ランで、サヨナラのコールド勝ちを成立させた。今大会唯一の大会1号。昨夏の県大会準々決勝(酒田光陵戦)に続き、高校公式戦通算2本目の記念球を手にした三浦は「久々にいい感じでした。打った瞬間に入ったと思いました」と笑顔を見せた。

 身長184センチ。小・中・高を通じての先輩・楽天下妻の背中を、同じ大型捕手として追い続ける。酒田南入学の昨春は、正捕手に下妻がいたが、打撃力を買われて6番右翼手で先発入り。夏の県大会は全5試合連続安打で、計10安打6打点と甲子園出場に貢献した。

 昨秋の新チーム移行後、下妻から先発マスクと4番の座を引き継いだ。だが、今春はリード面や4番の重圧から思うように打撃成績に結び付けられなかった。それでも阿彦祐幸監督(41)は「成長するにはいい機会。最後の一振りで吹っ切れてくれれば」と期待している。

 昨年は、主将兼捕手としてチームを引っ張る下妻の姿を目に焼き付けた。三浦は「身近にいたのでたくさん影響を受け、目標にしてきました。プロ入りも刺激になりました」と憧れ続けている。身長は昨年より1センチ伸びたが、まだパワー不足。捕手としても発展途上の2年生スラッガーは「リーダーシップを持って、もっと勝負強いバッティングをしたい」と攻守両面の成長を誓った。【佐々木雄高】

 ◆三浦颯大(みうら・そうた)1996年(平8)7月10日、山形県酒田市生まれ。松山小3年から松山スポーツ少年団で野球を始める。松山中では軟式野球部で2年夏まで内野手、同秋からマスクをかぶり3年時に県4強。酒田南では1年春から外野手として先発入り。昨夏、6番右翼手で甲子園出場。家族は両親、兄、妹。右投げ左打ち。184センチ、77キロ。血液型O。