<高校野球広島大会:崇徳4-3広島商>◇12日◇1回戦◇マツダスタジアム

 昨秋県大会王者の崇徳が3時間20分の激闘の末、古豪広島商を撃破した。第95回全国高校野球選手権大会広島大会が12日、開幕した。開会式直後のオープニングゲームは、延長13回までもつれる熱戦。崇徳・原亮太外野手(3年)が2死二塁から左前適時打を放ち、サヨナラで名門校対決を制した。次回は17日に好投手山岡を擁する瀬戸内と激突する。

 延長13回、崇徳ベンチの前で円陣ができた。背番号20の長島蒼太(3年)が、ポケットに忍ばせていたボールを取り出した。「みんなの力を合わせよう」。大会前に3年生31人全員の名前を書き込んだ“お守り”だった。主将の野村颯一郎(3年)は声を上げた。

 「サヨナラ打ったヤツが、明日の1面を飾るんだ」

 30度を超えるグラウンドで3時間以上の戦いを続けるナインに笑顔が戻った。

 効果てきめんだった。延長に入って3度目となる先頭打者の出塁。2死二塁とり、途中出場の原は2球で追い込まれた。だが、広島商ウィルソンの152球目は外角を狙ったボールが、失投となる。原は「打った瞬間に抜けたと思った」。逆らわずにとらえた鋭い当たりは、3時間20分の戦いにけりをつける一打となった。

 どん底からはい上がった。昨秋の県大会を制したが、年を越してチームは低迷した。プライドを傷つけられたのは、春季大会3回戦。新庄に0-12のコールド負けを喫した。敗戦後、選手だけでのミーティングを開いた。守りからリズムをつくる意思を再確認。同時に、部員109人全員が5厘刈りにし、藤本誠監督(34)も同調した。

 「こんな試合になるとは思っていなかった。選手を休ませないといけない」

 激闘を制した喜びもつかの間、指揮官は早くも次戦を見据えた。相手は好投手山岡を擁する瀬戸内だ。強豪との対戦が続くが、今日13日にはある“約束”が果たされる。期末テストが10日まで行われたため、恒例の焼き肉での決起集会も開幕までに開催できなかった。「勝ったらやるという約束でした。負けてたらなかったですよ」。初戦から酷使した体に英気を養い、37年ぶりの夏の大舞台へ突き進む。【鎌田真一郎】