<高校野球西兵庫大会:加古川北5-2洲本>◇24日◇決勝

 加古川北が春夏通じて初の甲子園切符だ!

 第90回全国高校野球選手権大会(8月2日開幕、甲子園)の西兵庫大会は24日、決勝が行われ、加古川北が岩崎誠司投手(2年)の力投などで洲本に逆転勝ちした。

 泣いた。笑った。加古川北が創部24年目で春夏合わせて初の甲子園切符をつかんだ。マウンド付近でできた歓喜の輪の中心にいた大西光起主将(3年)の顔は、涙でくしゃくしゃだった。久保佑介捕手(3年)は「試合前から優勝したらやってやろうと決めてました」と、男子バレー北京五輪日本代表・植田監督がみせた倒れ込むパフォーマンスで喜びを表現した。

 教え子たちの姿をベンチ前で見守った福村順一監督(36)も泣いた。加古川市にある高校からの甲子園出場は初めて。何度もスタンドに向かってお辞儀を繰り返し「感無量です。OB、地域の方々にも支えてもらった。選手もあきらめずについてきてくれました」と話した。

 14安打5得点。鮮やかな逆転勝ちだった。1点ビハインドの4回裏。1死二塁から大西が左前へ同点打。2死一、二塁の場面で、岩崎誠司投手(2年)の左越え二塁打で引っ繰り返し、続く石口哲也三塁手(3年)の内野安打などで突き放した。三好由衣マネジャー(3年)は「練習量ではどこにも負けません」という。ナイター照明がなくホームセンターで投光機を購入し、ティー打撃などに生かしながら打力を磨いた成果が大一番で出た。

 3試合連続の完投勝ちを収めた岩崎は、投打に活躍して「夢のようです」と汗をぬぐった。甲子園では大会7日目第2試合で聖光学院(福島)との対戦が決まった。大西は「感動を与えるプレーをします」と公立の星として輝くつもりだ。【寺尾博和】