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常葉菊川が4季連続甲子園誇りの行進

開会式で元気良く行進する常葉菊川ナイン(撮影・梅根麻紀)
開会式で元気良く行進する常葉菊川ナイン(撮影・梅根麻紀)

 第90回全国高校野球選手権大会が2日、甲子園球場で開幕した。4万4000人の大観衆の前で、4季連続甲子園出場の常葉学園菊川ナインも元気に行進。町田友潤二塁手(3年)ら18人のベンチ入りメンバーは、全国大会でベンチを外れた3年生の山本優人投手、岡田昌祥外野手、小川竜洋外野手の思いを背負い、勝負に臨むことを誓った。初戦は8日、2回戦で福知山成美(京都)と対戦する。

 4万4000人の大観衆の前で、常葉学園菊川ナインが34番目に入場した。90回の記念大会で例年より6校多い55校が出場。PL学園OBの桑田真澄氏ら歴代の名選手も顔をそろえ、甲子園は華やかな雰囲気に包まれていた。先頭を歩いた前田隆一主将(3年)は「4回目なので緊張しない。(学校の)名前が呼ばれると気持ちいい。あいつらを楽しませる試合をしたい」と、意気込みを語った。

 前田主将の言う「あいつら」とは、静岡大会でベンチ入りしながら、全国大会で登録を外れた山本、岡田、小川の3人のことだ。友情を胸に刻みながら、今後の戦いに臨む。

 スタンドから行進を眺めた山本は「感動しました。いい仲間に出会えてよかった。3年生は本当に仲がいいんです」と笑顔を見せた。7月26日のメンバー発表直後。部室で山本ら3人は涙を流した。「僕らが泣いていたら、あいつら(レギュラー)も泣いくれた。前田は『ごめんな』と主将として責任を感じていた。そこまで思ってくれてたなんて」と振り返る。そして「どこよりも明るく、見ていて楽しい野球をしてほしい」と、ナインに注文をつけた。

 小川も気持ちの整理はついていた。「楽しくやってくれればいい」と行進を見つめた。メンバー発表から2日後、04年に常葉菊川でセンバツ出場した長兄の洋太さん(中京大4年)からメールがあった。「オレが行けと言ったのに最後にこうなってしまった」と、三男の竜洋に菊川進学を勧めたことを悔いた内容だった。竜洋は「菊川に来てよかった。ありがとう」と返信した。「すごくいい仲間に会えたから」。中川雅也右翼手(3年)が、3年全員のベンチ入りを佐野心監督(41)に直訴しようとしていたと知った。気持ちがうれしかった。

 岡田もまた、晴れ晴れとした表情だった。「何回来ても甲子園はいい。もう少し腕を振った方がいいかな。一緒に行進したかったけど、メンバーには甲子園を楽しんでほしい。僕たちがサポートするから。もう(気持ちの)切り替えは済んでます」。メンバー発表後、3人はレギュラーの町田から1通のメールを受け取った。それが、1度は落ち込んだ心を癒やしてくれていた。

 ◆町田のメール メンバーの三年のみんな優勝なんかよりまた16人で一緒にプレーすることを望んでるし目標にしてるから難しいけどばらばらにならないで気持ちだけは切らさないようでやっていこ(泣顔)(握り拳)(キラキラ)国体絶対いくからまた16人で祭り野球しよ(笑顔)!!約束な(笑顔)(握り拳)

 大阪入り後、登録を外れた3人は炎天下で打撃投手をこなし、進んで雑用をしている。入場行進を終えた町田は言った。「2回勝って国体に出る。(ベンチを)外れた人たちに対して責任があります」。今夏、初めて具体的な目標を掲げた。帽子のつばには「絆」(きずな)の文字が書き込まれている。【斎藤直樹】

 [2008年8月3日12時36分 紙面から]


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