11日午前8時半ごろ、大分県日出町の大分自動車道日出ジャンクション付近で、全国高校野球選手権大会の大分大会開会式に向かっていた私立柳ケ浦高(同県宇佐市)の野球部員1、2年生46人が乗ったバスが横転した。県警高速隊によると、奈良県桜井市立桜井東中出身で2年の吉川将聖君(16)が車外に投げ出されて死亡。5人が重傷、37人が軽傷を負った。3人にけがはなかった。

 高速隊は自動車運転過失傷害の疑いでバスを運転していた同校教諭で野球部副部長の不破大樹容疑者(26)を現行犯逮捕。容疑を同致死傷に切り替え、事故の状況を詳しく調べている。同容疑者にけがはなく、「速度を出しすぎてハンドル操作を誤った」と供述しているという。

 同隊によると、バスは大分市に向かうルートに合流するための左カーブで側壁に接触後、50~60メートル走行し、車体左側を下にして横転。当時は小雨が降っており、ぬれた路面でスリップしたとみられるという。現場の制限速度は40キロだった。

 柳ケ浦高校によると、午前8時ごろ、学校から2台のバスに分乗し、大分市の野球場へ出発。横転したバスには控え選手が乗っていた。開会式には、前を走っていた別のバスのレギュラー選手が参加した。同校によると、バスは1991年製の旧型で運転席以外にシートベルトがなかった。高速隊は大分陸運支局に照会するなどして安全面で違反がなかったかを調べる。

 同日午後に記者会見した高橋和治校長は「吉川君と事故に遭われた生徒に、心からお悔やみとおわびを申し上げます」と謝罪。13日午後の初戦に出場するかは未定という。同校野球部は夏の甲子園に8回、春に2回出場した強豪。(共同)