日刊スポーツのニュースサイト、ニッカンスポーツ・コムの野球ページです。



ここからこのサイトのナビゲーションです

共通メニュー

企画アーカイブズ

QAなう


  1. トップ
  2. ニュース
  3. 写真ニュース
  4. スコア速報
  5. 日程&結果
  6. 組み合わせ
  7. 代表校
  8. 大会記録
  9. 地方大会

雄星だけでないハナマキ劇場/夏の甲子園

10回表花巻東2死二塁、川村は今宮(手前)から決勝打を放つ
10回表花巻東2死二塁、川村は今宮(手前)から決勝打を放つ

<全国高校野球選手権:花巻東7-6明豊>◇21日◇準々決勝

 「ハナマキ劇場」に甲子園が泣き、笑い、酔いしれた。センバツ準優勝の花巻東(岩手)が延長10回の末、7-6で明豊(大分)に再逆転勝ち。岩手県勢では19年盛岡中(現盛岡一)以来、90年ぶり3度目のベスト4進出を決めた。先発の怪物左腕・菊池雄星(3年)が背筋痛で、4-1の5回途中で降板。8回裏に3失点し4-6と逆転されたが、9回に同点、10回に勝ち越しと、驚異の粘りを見せた。みちのく勢では03年東北(宮城)以来、15度目の夏甲子園4強入り。悲願の「大旗の白河越え」に、あと2勝と迫った。

 ボールの軌道が見えた。初球だ。6-6の延長10回2死二塁。川村悠真主将(3年)が放った打球に花巻東の、すべての魂が乗り移る。二塁手の頭を越えた瞬間、地鳴りのような大歓声が聖地を包んだ。激闘に終止符を打つ決勝打。3回戦まで打率1割の主将が、ここ一番で結果を出した。

 打席に入る前、川村は一塁ベース脇で倒れ、ピクリとも動かず意識を失い、担架で運ばれる仲間を凝視した。前打者の佐藤涼平中堅手(3年)が送りバントを決め全速力で走った一塁ベース上で、ベースカバーの相手選手と激突した。

 川村主将 いつも涼平が送ってチャンスをつくってくれる。涼平の分まで-という思いで打席に入った。雄星からも延長に入ってから「お前にチャンスが回ってくるぞ」と言われてましたから。

 「一瞬、意識が飛んだ」という佐藤涼の体を張ったプレーに、黙っているわけにはいかなかった。

 エース菊池のアクシデントにもチームは動じない。5回途中に背筋痛を訴え降板。だが川村主将は「野手の自分たちの、腕の見せどころだ」と奮い立つ。佐々木洋監督(34)も「春からの頑張りを見せてくれ」と進軍ラッパを鳴らす。8回に逆転されても、全員が仲間を信じていた。そして9回無死二、三塁で、横倉怜武一塁手(3年)が同点中前打を放つ。

 横倉 雄星に「おまえなら打てる。力を抜いてセカンドの頭の上を狙え」と言われた。雄星がいないと勝てないと言われてきたので絶対、打ちたかった。

 「雄星だけじゃない」ことを証明する一打だった。

 「『雄星不在』という展開は、やったことがなかった」と佐々木監督。だが敗戦を覚悟する者は、誰ひとりいなかった。入学時から植え付けられてきた、ある信念がある。普通なら嫌がるトイレ掃除や、練習でどんなに疲れていても清掃を欠かさないなど、私生活から徹底して甘えを排除。どんな「逆境」も耐えられる精神力が培われた。

 「雄星がいなくても勝てた。本当にうれしい」と佐々木監督。10回裏、意識が戻り全力疾走で守備に戻る佐藤涼に、聖地から割れんばかりの拍手が起こり、アルプス席は涙した。すべての観衆を魅了した「ハナマキ劇場」。だが、選手たちは冷静に演じていた。

 川村主将 「こういう試合に勝ったチームが、優勝するんだろうな」とイメージしながら試合をしていた。

 日本一まであと2勝。背番号1の不在を乗り越えたナインに、深紅の優勝旗のたなびく音が聞こえてきた。【三須一紀】

 [2009年8月22日12時19分 紙面から]


関連ニュース


このニュースには全0件の日記があります。


ソーシャルブックマークへ投稿

  • Yahoo!ブックマークに登録
  • はてなブックマークに追加
  • Buzzurlにブックマーク
  • livedoorクリップに投稿

ソーシャルブックマークとは










日刊スポーツの購読申し込みはこちら

  1. ニッカンスポーツ・コムホーム
  2. 野球
  3. 高校野球
  4. 夏の甲子園
  5. ニュース

データ提供

日本プロ野球(NPB):
日刊編集センター(編集著作)/NPB BIS(公式記録)
国内サッカー:
(株)日刊編集センター
欧州サッカー:
(株)日刊編集センター/InfostradaSports
MLB:
(株)日刊編集センター/(株)共同通信/STATS LLC

ここからフッターナビゲーションです