内外野の複数ポジションをこなすチャーリー・カルバーソン選手(34)が、今季、投手として再挑戦することになりました。米メディアによると、今春はブレーブスのマイナーキャンプに参加し、本格的な練習を開始。メジャー昇格を目指す決意を固めました。

12年にメジャーデビューしたカルバーソンは、その後、ロッキーズ、ドジャース、ブレーブス、レンジャーズで11年間プレーし、ユーティリティープレーヤーとして、通算打率2割4分8厘、30本塁打、145打点の成績を残しています。

その一方で、大差が付いた試合の終盤に登板し、通算8試合、7回1/3を投げて7安打1失点1奪三振3四球。MLB公式サイトによると、最速93・7マイル(約150・8キロ)をマークするなど、投手としても非凡な一面をのぞかせていました。昨季は、ブレーブスのマイナーでも3回2/3を投げましたが、本職の野手としてはメジャーで1試合に途中出場したのみ。現時点で、本人の言葉は伝わっていませんが、投手としての可能性にかけて転向を決断したものとみられています。

過去に、野手から投手へ転向した例はありますし、日本でも遊撃手として入団した中日根尾昂が投手に転向していますが、カルバーソンのように、11年間もプレーした末に再挑戦するのは、かなり珍しいことです。

大谷翔平が18年、エンゼルス入りした際、「二刀流」には懐疑的な声が多く聞かれましたが、大谷が球界の常識を覆したことで、今では「二刀流」を前提にドラフトで指名される選手も増えてきました。

カルバーソンの場合も、これまでであれば、冷ややかに見られたかもしれません。ただ、99年に高校で教師と監督を務めていたジム・モリスが35歳にして最速98マイル(約158キロ)をマークしてレイズのプロテストに合格。史上最年長でデビューし、後に「ザ・ルーキー」(日本では「オールド・ルーキー」)のタイトルで映画化された例もあります。

近年は、動作解析などに基づくトレーニング方法などが進化し、球界全体の球速も上昇しています。カルバーソンが投手としてメジャー復帰を果たすことになれば、「二刀流」に加え、選手の「セカンド・キャリア」の選択肢が増えることになるかもしれません。

打撃投手として登板したドジャース前田健太と対戦するカルバーソン(2016年2月撮影)
打撃投手として登板したドジャース前田健太と対戦するカルバーソン(2016年2月撮影)