アレックス・ロドリゲス内野手やロジャー・クレメンス元投手は殿堂入りに値しない。そんな考えを元ヤンキース捕手のホルヘ・ポサダ氏が明らかにし、波紋を呼んでいる。

 ポサダ氏といえば、1995年から2011年までヤンキース一筋でプレーし、打撃にも優れたMLBを代表する捕手として一時代を築いた名選手として今も高い人気を誇る人物だ。松井秀喜元外野手のチームメイトとして記憶している人も多いのではないだろうか。そんなポサダ氏がやはりチームメイトだったAロッドやクレメンス氏の将来の殿堂入りに否定的な考えを示したのである。

 これは今週自伝がアメリカで発売されたことに合わせ同氏が出演したテレビ局CBSのモーニングショーで語ったもの。否定的な考えの原因は禁止薬物の使用だという。これまでにもお伝えしてきたようにAロッドは禁止薬物の使用により昨シーズン全てで出場停止処分を受けた。一方クレメンス氏は使用を認めていない。

 ポサダ氏は番組でAロッドとクレメンス氏の殿堂入りは「まったく公正ではないと思う。殿堂入りするのは疑念無くプレーした選手であるべきだと思う」と語り、両氏の殿堂入りに反対の考えであることを示唆したのである。

 これまでこの考えを両氏に明かしたことはなかったそうで、Aロッドがこれを聞いたら驚くだろうとも話した。さらに別のラジオ番組では「アレックスは友達だ。(クレメンス)も友達だ。大好きな人たちにネガティブなことを話すのはつらい」と苦しい胸の内を明かしたということである。

 対してAロッドは「ジョージー(ポサダのニックネーム)を悪く言うことなんてできないよ。彼は素晴らしい選手で素晴らしい才能を持っていた。自分たちはチャンピオンシップを勝ち取ったんだ。今回のことは気にしていない」と語ったということだ。

 ポサダ氏はまた、2003年にA・リーグMVP候補になりながら、当時禁止薬物を使用していたAロッドにMVPを奪われたことにも不満を述べたということである。

 今回の発言は自伝の宣伝のためあえて刺激的な発信をした面が強いが、かつてのチームメイトであってもさまざまな感情を抱いていることが垣間見えて興味深い一件となった。