いよいよMLB2015年レギュラーシーズンも最終盤となった。30日時点でナ・リーグはプレーオフ出場チームが全て決まり、ア・リーグは西地区とワイルドカードでは厳しい争いが続いている。一方、そんなプレーオフ・レースから脱落したチームでは終戦ムードが漂い、空気がすさんでしまうことも多い。そんななか、事件が起こってしまったのがナショナルズだ。

 ナショナルズは当初プレーオフの有力候補と見なされていたが、30日時点でナ・リーグ東地区で2位につけているものの首位メッツに9ゲーム差をつけられ、ワイルドカード・レースでも4位で既にプレーオフ出場可能性は消えている。その状況が固まっていた27日のフィリーズ戦でチームメート同士による乱闘事件が起こってしまったのだ。

 4対4の同点だった8回裏、強打者ブライス・ハーパーが左翼フライに倒れ、ダッグアウトに戻った際、そこにいたクローザーのジョナサン・パペルボンが何事か声をかけ、それにハーパーが反論。するといきなりパペルボンがハーパーにつかみかかると両者が取っ組み合いのけんかを始めてしまったのだ。乱闘はチームメートが両者を引きはがすまで続いた。

 その後パペルボンはハーパーに謝罪し、ハーパーもこれを受け入れるコメントを出したが事態を重く見たチームは28日、4ゲームの出場停止処分に科したことを発表している。その声明ではさらにパペルボンは23日のオリオールズ戦で危険球を投げたことで退場処分になっており、リーグから3ゲームの出場停止を科されたことも明らかにされ、このリーグの処分が月曜からで、その後チームの出場停止が科されることから残り全ゲームに出場できないことになったのだ。

 一方のハーパーについてだが、マット・ウィリアムズ監督は28日は出場させなかったが、29日からは再び起用している。

 チーム内に遺恨を生むことになったかもしれないパペルボンだが来年まで1100万ドルの契約を残している。今後首脳陣がチームをどのようにハンドリングしていくか今後の重要なカギになるかもしれない。