2015年ワールドシリーズ進出を目指すリーグ優勝決定シリーズがいよいよ佳境を迎えている。現地20日時点でア・ナ両リーグで大手がかかっている状況だ。

 ア・リーグではロイヤルズが3勝1敗でブルージェイズをリードしている。ロイヤルズは昨年、ワイルドカードからア・リーグ優勝決定シリーズに進出し、オリオールズを4連勝で破ってワールドシリーズに進出したが、3勝4敗でジャイアンツに惜敗した。ワールドシリーズには過去4回進出しているが、優勝したのは1985年の1回のみである。今年はなんとしても昨年の雪辱を果たしたいところだ。

 あとのないブルージェイズだが過去ワールドシリーズに進出したのは92、93年の2回だけ。ただしこの2回で連覇を遂げている。進出できればワールドシリーズ制覇という記録を今年も達成したいところだ。川崎宗則内野手が出場ロースター外ながらムードメーカーとしてチーム、さらにはファンやメディアをも引きつける存在になっているだけに巻き返しに期待したい。

 一方、ナ・リーグではメッツがカブスに3連勝して、進出まであと1勝となっている。進出すればワイルドカードから進出した2000年以来だ。この年のワールドシリーズはア・リーグ王者がヤンキースで、ニューヨークを本拠とするチーム同士のいわゆるサブウェイシリーズだった。メッツは1勝4敗で敗れている。

 メッツは過去6回ワールドシリーズに進出しているが、優勝したのは69年と86年の2回。どちらも快進撃を見せたシーズンで「ミラクル・メッツ」と呼ばれたのは有名だ。今年もダニエル・マーフィー内野手が5ゲーム連続本塁打を放ち、プレーオフのメジャー最長記録に並ぶなど注目度は高い。

 そんなメッツよりも注目されているのはカブスだろう。過去16回リーグ優勝し、ワールドシリーズも2回制している。が、45年以来進出できていないのだ。これは45年のワールドシリーズ第4戦でペットのヤギを連れての入場を断られたファンが「ヤギを入れるまで、二度とワールドシリーズを勝てないだろう」と言ったとする「ヤギの呪い」のためだ、と長年ささやかれてきたのである。

 さらにMLBファンのみならず今回カブスの行方が注目されているのは89年に公開された映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー2」のためだ。作中描かれた未来世界が2015年10月21日であり、そのなかで今年のワールドシリーズ優勝チームはカブス、となっているのである。果たして呪いを解き、映画の”予言”を的中させる巻き返しは起こるだろうか。

 ちなみに4チームのいずれが進出してもワールドシリーズとしては初の組み合わせとなる。