ナ・リーグ地区シリーズでドジャースは3連勝でダイヤモンドバックスを破り、2年2年連続でナ・リーグ優勝決定戦進出を決めた。1敗もしないいわゆるスイープを許したことはダイヤモンドバックスにとって、とても屈辱的な結果だったに違いない。そして更なる屈辱を重ねないようにある行動に出たと米ヤフーやCBS Sports電子版などが伝えている。

 現地9日、ダイヤモンドバックスの本拠地チェースフィールドで行われた第3戦が3対1で終了し、ドジャースの進出が決定した後、スタジアムのロッカールームでは恒例のシャンパンファイトが行われ、選手たちは文字通り美酒に酔った。そしてその頃、ダイヤモンドバックスは騎馬警官2名とセキュリティ要員数名を外野フィールドの一角に送っていたのである。

 なぜこんな措置を執ったのか。スイープでの敗退にファンが暴動を起こすのを危惧したからではない。チェースフィールドの右翼外野スタンドにはプールが設置されており、プールの中やデッキから試合を観戦できるようになっている。騎馬警官たちはこのプールにドジャースの選手たちが入ることを阻止するために配備されたのである。

 実は2013年にドジャースが同スタジアムでナ・リーグ西地区優勝を決めた際、ドジャースの選手が喜びのあまりプールに入って騒いだことがあったのである。当時ダイヤモンドバックスに所属していたウィリー・ブルームクイスト元選手はこの行為を「品がなく、無礼」と非難した。さらにドジャースの選手がプールで放尿したという報告まであったということだ。

 ダイヤモンドバックスがこの屈辱が再び起こることをなんとしても避けたく思い、警察まで動員したのも当然かもしれない。

 ヤフーによれば相手選手がプールに入るのを阻止する要員が現れたのは今回が初めてではないのだとか。2014年には海神ポセイドンの格好をしたファンが警備にあたったことがあるということだ。ただその時はダイヤモンドバックスが雇ったわけではなく、あくまでファンの自主的行動だったそうだが。

 一方、ダイヤモンドバックス自体は今年喜びの場として使用している。9月にプレーオフ進出が決まった際に、選手たちはプールに入って喜びの雄叫びを上げているのだ。

 こうした一連の流れを見ていると、今後このプールがダイヤモンドバックスにとって特別な場所としての認識が高まっていきそうである。そんな風にして伝統が作られていくのだろう。