3日付のニューヨーク・ポストで同紙のコラムニスト、マイク・バッカロ氏が「最悪のニューヨークの最高はたぶん」という記事を掲載した。

 これはなんのことを指しているかというと、ニューヨークに本拠を置くプロ・チームが今シーズンひどい状況にあることへの嘆きから出たものである。ニューヨークにはいわゆる4大プロ・リーグに所属するチームが各2チームずつある。アイスホッケー、NHLの2チームを除く6チームの成績がいずれも振るっていないのだ。

 ご存じのようにヤンキースは2年連続でプレーオフ進出を逃した。メッツに至っては2006年以来8年間プレーオフから遠ざかっており、今シーズンは79勝83敗で7年連続負け越している。

 また、現在シーズン中のアメリカンフットボール、NFLとバスケットボールNBAの状況も芳しくない。3日終了現在、NFLのジェッツは2勝10敗だし、ジャイアンツも3勝9敗で、4週を残してプレーオフ戦線から脱落している。NBAもニックスが4勝15敗で、ネッツが7勝9敗という状況だ。

 6チームもありながら1つも成績の良いチームがなければ、最悪、と思うファンが多くなるのも当然だろう。

 そんななかで、それぞれ各2チームから最良のチームを作ればどうだろう、というのがこの記事の内容である。現実逃避企画ということもできるかもしれない。

 MLB、NFL、NBAそれぞれにベスト・メンバーが選ばれ、そのチームの評価がされているのだが、MLBについて見てみると。

 内野では一塁はマーク・テシェイラ、二塁ダニエル・マーフィー、三塁はデイビッド・ライトとなっている。興味深いのは遊撃で、ルーベン・テハダが選ばれているのだが、カッコで「すぐ遊撃手の誰かと契約する必要がある」と記されているのだ。つまりヤンキースもメッツも現在一線級と呼べる遊撃手がおらず、このオフに獲得する必要があると指摘しているのである。

 また先発投手には今シーズン9勝6敗で新人王を獲得したジェイコブ・デグロムを挙げ、そのうえで評価において田中将大やマット・ハービーなど豪華ローテーションが組めるとしたものの、全員が健康なら、と今シーズン2チームが不振だった原因を指摘していた。

 いずれにせよ、こんな遊びをしなくてもいいシーズンを全チームが送れるようになればいいのだが。