マーリンズのイチロー外野手(42)が26日(日本時間27日)、ドジャース戦に代打で出場し、左前打を放った。この一打でメジャー通算2943安打となり、フランク・ロビンソンに並ぶ歴代33位タイとなった。

 通算586本塁打、66年3冠王に並ぶ1本は、イチローらしい巧打だった。8回表2死一塁。カウント1-2と追い込まれながら、外角へのスライダーを持ち前のしなやかなバット操作で左前へ運んだ。今季は過去数年以上にプレー機会が不規則で、スタメン出場はわずか3試合。この日の代打も、22日以来4試合ぶりの打席だった。体調のみならず、集中力の維持も簡単ではないが、イチローは「別にいいんじゃないですか」とサラリと話すだけ。実際、試合前のルーティンはスタメン当日とほとんど変わることはなく、淡々と出番を待ち続けてきた。

 それでも、ここまで打率4割をキープ。マッティングリー監督は「プレーしない時期があってもすごく体調がいいし、我々にとって攻守に貴重な存在」と、幅広い役割をこなすベテランのプレーぶりに感服するばかりだった。

 試合は序盤劣勢だったマ軍が6回、ド軍のエース左腕カーショーから5点を奪って逆転勝ち。今季初の3連勝を飾った。ようやく見え始めた上昇気配に、イチローは「監督に聞いてください」とかわしたが、その表情は柔らかかった。(ロサンゼルス=四竈衛)