マーリンズのイチロー外野手(42)が25日(日本時間26日)、カブス戦に「1番中堅」で出場し、4打数1安打1四球2得点1盗塁。メジャー通算2984安打として、同通算3000安打まであと16本とした。

 この日の対戦相手は、これまでメジャーで最多の安打を放ち、互いに手の内を知り尽くしたカ軍ラッキーだった。そんな好敵手から第3打席に三遊間へゴロを転がし、遊撃内野安打。オリックス時代、最多安打を放った岩本(日本ハム)を抜き日米最多となる37本目の安打を記録した。それでも、イチローは「ああ、そうですか? というか、だれかがそうなるんでしょう、当たり前だけど。それがこの人だったということでしょう」と淡々と言葉をつないだ。

 淡泊なわけは、戸惑いよりも、少しだけ落胆がよぎったから。ベテラン右腕がこれまでにない、速いテンポで投球した。「投手は相手が用意できていない時に投げてきたりしますけど、ああいうことをやり出すと、僕の中では…。残念といえば残念。投手と打者とは、そういうものなのでね。急にいい投手がそうでなくなる瞬間だったりする」。高いレベルでの勝負を繰り返してきた相手だけに、無念さが残る1日だった。

 その一方で、メジャー最高勝率のカ軍に打ち勝って逆転勝ち。「いやぁ、僕からは何も…」。イチローにとって、チームの1勝、個人の1安打も重い。ただ、終わってしまえば、目先の結果は、今も昔も変わらない。(マイアミ=四竈衛)

 ◆イチローの最多被安打記録の36安打を破られた日本ハム元投手の岩本勉氏(45)の話 打ちましたか! 記録は破られるためにある! ジョン・ラッキー投手にインタビューを申し込みたいくらいです。ヒットを打たれたことで再び、僕の名前が野球ファンに触れることができました。おふたりに敬意を表します。