ヤンキース田中将大投手(28)が、日本人メジャー投手最速タイで40勝に到達した。本拠地初登板のカージナルス戦で、7回途中3失点にまとめて今季初勝利。開幕から厳しい登板が続き、この日も初回に2ランを浴びる苦しい立ち上がりだったが、3戦目でようやく持ち前の修正力の高さを発揮し、節目の勝利をたぐり寄せた。

 鍵になったのはスプリットだった。「すべては開幕戦からなんですよね。ストライクゾーンに投げたやつをパンパン打たれたんで。それからストライクゾーンにスプリットを投げづらくなってしまって」。だがこの日は試合の中で「ストライクゾーンに投げていくようにしました」と切り替えた。

 開幕戦から2試合で結果が出ず、周囲からは懸念の声が上がっていた。試合前には、ジラルディ監督が米国記者から「修正が得意な田中がそれをできていないのは、心配ではないか」と質問を受けた。そんな心配を拭い去るように、2回以降は6回までわずか1安打に抑える好投。7回に1死一、二塁から適時二塁打を浴びたところで走者を残して交代したが、強力救援陣が1点リードを守って白星を得た。同監督は「3回以降は非常に切れがあった」と話し、田中は「尻拭いしてもらって、本当に勝たせてもらったところが大きい」と感謝した。

 オフに合同自主トレを行った楽天則本、同・松井裕ら後輩に初勝利を先に越されていた。「それは気付いてましたよ。オレだけだなと思ってましたよ」と話しながら、自身の初勝利に笑顔。この日はももいろクローバーZによる新登場曲のお披露目もあり「自分のためにすごく多くの方が動いて、作ってくださっている」と感謝した。【水次祥子】