【スコッツデール(米アリゾナ州)13日(日本時間14日)=四竈衛、斎藤庸裕】マリナーズの会長付特別補佐兼インストラクターを務めるイチロー氏(46)が、来春のキャンプから本格的なコーチ業務に携わることになった。GM会議に出席中のジェリー・ディポトGM(51)が、イチロー氏の来季の役割を明かしたもので、日本球界の“外野守備走塁コーチ”に該当するような立場で、若手の指導にあたることになった。

肩書こそ変わらないものの、来季はイチロー氏がグラウンド上で直接アドバイスをする姿が、頻繁に見られるようになる。今年3月の現役引退後、同職に就任。打撃投手を務めるなど育成のサポート役を担ってきたが、公の場で助言を送る機会は少なかった。だが、来季からはマイク・キャメロン氏とのタッグでより具体的な技術指導を開始。同GMは「これまで以上に多くの時間を過ごしてもらうことになる。彼は生きた偉大なお手本。若い選手に見習ってほしい」と、イチローが培った高等技術の伝授に期待をかけた。

“イチロー教室”は春季キャンプから開講される見込みで、野手ミーティングなどにも参加する予定。シーズン中は本拠地での試合、遠征中は3Aタコマで指導する。同GMは「彼が専任コーチを望むかは分からない。ただ、彼が側にいてくれることが最高。監督、コーチ、選手の中で彼ほど尊敬されている選手を見たことがない」。マ軍側は将来的なコーチ要請を視野に入れているとみられ、イチロー氏にとって、来季は実質的な指導者としての第1歩となりそうだ。