日本プロ野球組織(NPB)の立場は最後まで明確だった。野球の最高峰を決める大会である以上は、あくまでも野球規則通りに行うべきで、投球数制限などの特別ルールは採用すべきではないというものだった。

 だが、最高峰の大会であるがために、高額年俸の大リーガーが多数参加する。そのために故障した時の補償問題が大きく横たわる。関係者によれば保険会社が保障を引き受ける上で、投手の球数制限は譲れない条件だったという。今回の制限の緩和も、わずか5球にとどまった。

 NPBにとって投球数の制限を受け入れる代わりに、大リーグ側が示していた延長無制限は受け入れられないルールだった。一方で1、2次ラウンドは敗者復活を取り入れた変則トーナメント方式で行うために、引き分けは許されず、勝敗を決める必要があった。

 NPBは同点の場合、安打数や塁打数などで勝敗を決める方式を提案していた。結局、NPB案は認められなかったが、大リーグ側も譲歩した形でタイブレーク方式が採用されたとみられる。

 北京五輪では日本は米国にタイブレークで敗れている。採用が決まった以上は対策を考える必要がある。