Tシャツに、ハーフパンツ、靴下をすべて赤でまとめ、エンゼルス松井秀喜外野手(35)が動き始めた。練習後は、アリゾナの強い日差しの下、「赤は普段は着ないけど、これから似合ってくるでしょう」と照れ笑いを浮かべた。

 前日に現地入り。19日(日本時間20日)は室内でバイクをこくなど約1時間半の軽めの調整だった。クラブハウスでは先にキャンプインしている投手陣とあいさつ。初めて訪れた新天地のキャンプ施設は「使いやすい」と言い、天然芝の緑が映える球場には「きれいですね」と感想を話した。

 ソーシア監督からは「とにかく体調に気をつけてやってくれたと言われた」と松井。同監督はひざの状態を考慮し、キャンプ中の別メニューを容認する考えだ。指揮官は「松井が加われば打線に厚みが増す。重要なのは試合で彼がバットを振ること」と、背番号「55」への信頼感を口にした。

 帰り際には地元のファンに囲まれ、即席のサイン会。球場の入り口には松井の看板も出ている。「期待されているのは感じる」。開幕に向け、万全の状態をつくる日々が始まった。