<オープン戦:レンジャーズ6-7マリナーズ>◇3月31日(日本時間1日)◇米アリゾナ州サプライズ

 マリナーズ・イチロー外野手(36)が好守でスタンドを沸かせた。2回、右前打で二塁から生還を狙った走者をどんぴしゃりの送球で刺した。右翼定位置から打球に突進、滑らかな動作から繰り出された送球は、ワンバウンドで捕手のミットへ。一瞬の間を置き、球審が大げさにアウトのジェスチャーを示した。

 「もう投げないと仕方ない。もうそのまま投げるしかなかった」とイチロー。2死で走者の足は速かったが、捕球位置は浅かった。どれだけ素早く、正確に投げられるかが鍵の状況。体の自然な動きに任せ、最高の結果を出した。

 マリナーズは1日にピオリアでのホワイトソックス戦があるが、イチロー自身のアリゾナでの実戦はこの日で終わり。ワカマツ監督は「(イチローについては)心配はしていない」と、全幅の信頼を寄せる。

 キャンプ中盤、「特に足りていることもないし、足りていないことも別にない」と語っていたイチロー。アリゾナでは具体的なノルマを課さない。故障などのアクシデントもなく、ある程度思い通りに体を動かせることを確認できれば、いよいよ調整は最終段階を迎える。