<エンゼルス1-7ヤンキース>◇24日(日本時間25日)◇エンゼルスタジアム

 2安打しても、一方的な敗戦となっては充実感は薄い。エンゼルス松井秀喜外野手(35)の口調は乾いたままだ。今季2度目の対戦だった左腕ペティットを「序盤苦しんでいる感じ。そこで崩せなかった」と敗因を挙げた。

 先頭打者の2回、相手の制球の狂いを突いて右前に運んだ。だが、後が続かない。拙攻を繰り返しているうちに流れは相手に傾き、松井の2本目の安打は大勢が決した9回2死からだった。

 ただ、救援左腕のマルテを含め、前回手を焼いた相手にきっちり一矢報いた。松井の激励に訪れた作家の伊集院静さんは「去年との一番の違いは打席で不安な顔がないこと」と感じた。出番が限られた昨季とは異なり「不動の4番。巨人時代から、そこが似合う」と心の張りが好調な打撃を支えていると指摘した。

 難しいコースに対応した9回の中前打でメジャー通算999安打。節目の数字を一気に通過しそうな勢いがある。