9月末に全米でテレビ放映される米大リーグのドキュメンタリー番組「テンス・イニング(10回)」の先行試写会が10日、ニューヨークで行われ、この中に登場するマリナーズ・イチロー外野手(36)は「野球は僕自身を作り上げてくれるもの。オオカミの子どもは最初に見たものを親と思うらしいが、僕にとって(野球は)そんな感覚かもしれない」と、独特の野球観を表現している。

 イチローは「大リーグの国際化」の章に登場する。日本人野手初の大リーグ入りに際しては、米球団のスカウトたちが体の線の細さと振り子打法といわれた打撃フォームがメジャーの投手に通用するか疑念を抱いていたことを紹介。しかし、「形で覚えたのではなく、体で作り上げてきた」と話す広角打法とともに走攻守3拍子そろったプレーが、移籍1年目から本塁打全盛の大リーグに革命を起こした、と評価した。

 ドミニカ共和国出身で219勝を挙げているペドロ・マルティネス投手(38)はレッドソックス時代にイチローと対戦した思い出を「球数を投げさせられた上に、ヒットを打たれる。最も嫌なタイプの打者だった」と語っている。イチローの活躍ぶりを伝える映像とともに「ベースボールに新しい価値観を持ち込んだ」とし、各球団は「第2のイチロー」と契約することを熱望していると結んでいる。

 取材に当たった制作プロデューサーの1人、ケン・バーンズ氏(57)はイチローを「自らを律することのできる人間」と表現。放映は米国の28、29日両日夜で、同氏は「将来的には日本でもオンエアしてほしい」と話した。