任天堂を世界的なゲーム機メーカーに育てた前社長の山内溥(やまうち・ひろし)相談役が19日午前、京都市内の病院で肺炎のため死去した。85歳だった。

 山内溥氏は社長時代の1992年、米大リーグのマリナーズを買収した。米国の国技ともいわれる野球の大リーグに日本資本が参入するのは初めてで、日本選手の獲得にも尽力した。

 99年オフ、横浜(現DeNA)からフリーエージェント(FA)になった佐々木主浩投手と契約。翌年オフにはポスティングシステム(入札制度)でオリックスからイチロー外野手を獲得した。イチロー外野手の入団記者会見は京都市の任天堂本社で開かれ、山内氏は「日本人が経営にかかわっている唯一の球団、マリナーズにぜひとも来てほしかった」と喜んだ。

 2001年、佐々木投手は45セーブを挙げ、メジャー1年目のイチロー外野手も打率3割5分などでア・リーグ最優秀選手(MVP)に輝く活躍を見せ、4年ぶりに地区優勝したチームに大きく貢献した。

 マリナーズには02~05年に長谷川滋利投手が所属し、現在は岩隈久志投手がプレーしている。(共同)