<マリナーズ5-0タイガース>◇31日(日本時間1日)◇セーフコフィールド

 【シアトル(米ワシントン州)5月31日(日本時間6月1日)=木崎英夫通信員】マリナーズの城島健司捕手(32)がタイガース戦で、日本人選手初の「本盗」を記録した。先制の2点適時打も放ち2安打2打点、守備では好リードで今季2度目の完封勝利を導いた。イチロー外野手(34)は4打数無安打で5月を終わった時点では、メジャー8年目で最低打率の2割8分4厘で終えた。

 昨季は盗塁「0」の城島が、思わぬ形でホームスチールを成功させた。4回、城島はこの日2本目のヒットとなる左翼線二塁打で出塁。内野ゴロで三塁に進んだ。8番カイロの初球がボールとなったところでマクラーレン監督がスクイズのサインを送った。

 投球モーションとともにスタートを切ると、動きを察知した相手先発のバーランダーは「打者にバントさせないために」とカーブをベース前にワンバウンドさせた。スクイズは失敗。しかし、ロドリゲス捕手が投球を胸で止め、前にはじいた。

 「止まろうかなって思った時に、僕の方を見ながら(捕手が)ジャッグルしたんですよ。次にダフりゃ(取り損ねたら)滑ろうかなって思ったらダフったんで。あたふたコロコロって滑りました」。捕手がボールを2度つかみ損ねる間に転がり込むようにベースタッチ。城島自身初、チームでは3年ぶり、日本人初の「本盗」が記録された。

 イチローは「通常止まることが多いですけどああいうプレーになると。ジョーはその辺ははっきりしてるよね。中途半端な選択をしないのは頭使ってる証拠だわね」と絶賛した。

 だが、城島は「僕の人生にあってもなくてもいいもの」とそっけない。イチローがメジャーで一番やりたいプレーが本盗と聞かされると「イチローさんにとってはすごくおっきなことでしょうから、譲ってあげられるならヒット1本と替えたいぐらい」と城島が笑った。

 初回には決勝点となる先制2点適時打を放ち、リードしては今季2度目の完封勝利。城島デーだった。