今オフ巨人を自由契約となった門倉健投手(35)がシカゴ・カブスに入団する可能性が出てきた。23日、同じく巨人を自由契約となった野口茂樹投手(34)とともに、都内でカブスの極秘トライアウトを受験した。スティーブ・ウィルソン環太平洋スカウト・コーディネーターから高い評価を受け、オファーを出すことを示唆された。

 カブス・ウィルソン氏のビデオを回す手に力が入った。都内で極秘に行われたカ軍トライアウト。マウンドから投げおろす門倉の投球に、約15分間くぎ付けになった。そして投球後、笑顔で印象を口にした。

 同氏は「しばらくマウンドに立っていなかったらしいが、コントロールが良く、すごい良いコンディションだった」と門倉を絶賛。そして「若くて速い球を投げる投手はいるが、球団としては彼のような試合で使える投手がブルペンに欲しい」と、中継ぎでの起用にまで踏み込んだ。さらに「ヘンドリーGMには、ぜひとるべきだと伝えたい。門倉に春季キャンプに来てほしいから」とGMに進言することを誓った。

 ここまで門倉に対しては韓国プロ野球のSKなど複数球団がアプローチをしている。だが同投手は「大リーグ希望?

 そうですね。野球がしたいから、契約内容にはこだわってないです。良いことにはこしたことないですけど」と、進路をメジャーに絞りつつあることを表明。そして「伝統ある球団が興味を持ってくれたのがうれしい」とカブス関係者の訪問に感激の表情を見せた。

 代理人を務めるピーター・E・グリーンバーグ事務所の中西剛氏も「ボール、マウンド、気候の違いを考えても、門倉はアメリカに向いていると思う」と言う。岡島をレッドソックス入りさせた同氏は、門倉のためにメジャー契約を勝ち取ることにも自信を見せた。「メジャー契約を取れる?

 もちろん。良い答えを期待しています。門倉には力があるし、スティーブの球団内の発言力にも、1回のテストで合格させる力があると思います」。登板機会を求めて巨人を離れた門倉が、米球界のマウンドに、1歩近づいた。【千葉修宏】