<ナショナルズ1-2オリオールズ>◇23日(日本時間24日)◇ナショナルズパーク

 【ワシントン=千葉修宏】オリオールズ上原浩治投手(34)が緊急降板した。ナショナルズ戦に先発したが、3回途中で左太もも裏に違和感を感じ、4回から2番手投手にマウンドを譲った。次回28日のタイガース戦先発は事実上白紙に。首脳陣は24日の足の状態を見て、今後の処遇を決定する。

 試合開始から上原の様子はおかしかった。肩で息をして険しい表情。フォークが落ちず1番グスマン、3番ジマーマンと完ぺきにミートされた。3回には4番ダンのベース直撃の当たりを一塁ウィギントンが捕球した際、カバーに走らず。マウンド上で左足太もも裏をさする姿があった。

 結局3回を3安打、3三振で0点に抑えたが、4回のマウンドは2番手に譲った。トレンブリー監督は「1回終了時、すでに歩くのもつらそうで呼吸が荒かった。暑さによる脱水症状だろう。それで左太もも裏が張ったり、つったりしだしたので代えた」と説明した。この日は午後7時すぎの試合開始時になっても28度あった。

 「練習中から汗が止まらなかった。あと花粉症です。ここ2、3日変な感じでした」と上原。左太もも裏の違和感は3回、ダンに投げている時に始まり、一塁カバーも自重したという。今春オープン戦でも暑いフロリダで左太もも裏を故障しており「キャンプの時より悪くはない。痛みじゃなくて怖さ。やってまた1カ月休むのがイヤだったんで」と降板を受け入れた。

 ただ最近数試合の終盤の急激な失速に加え、この日の降板を見た地元報道陣からは、上原のコンディショニング能力を疑問視する声も出始めた。監督会見では「まだ暑いボルティモアの夏に投げてるわけでもないのに彼は大丈夫か。調整法を変えた方が良くないか」という厳しい質問も出た。

 だが、メジャー最低勝率のナ軍に連勝したとはいえ、現在、ア東地区最下位に低迷し、先発投手を5人そろえるだけで四苦八苦しているオ軍では、余裕を持った調整は難しい。クレイニッツ投手コーチは「故障者リスト(DL)に入れてしまえば、先発を3回飛ばすことになる。それはなるべく避けたい」と、現時点でのDL入りには否定的だ。

 一方で足を完ぺきに治さなければ1年間働けない。とりあえず次回28日タイガース戦の先発はほぼ消滅した。上原も「2、3日で動けると思います。次回(先発を)飛ばすかどうか、それくらいの微妙さだけで、3試合、4試合飛ばすということはないと思います」と登板を1度回避する見通しでいる。