<マリナーズ4-2ツインズ>◇7日(日本時間8日)◇セーフコフィールド

 【シアトル(米ワシントン州)=木崎英夫通信員】マリナーズ・イチロー外野手(35)が、2007年9月19日以来のア・リーグ首位打者に浮上した。ツインズ戦で2安打し、勝利に貢献、打率は3割5分6厘へ上昇して、両リーグ通じてもトップに立った。また、安打数は77本として、リーグ1位に1本差に迫った。

 自分は落ち着きたくても、この日の2本が再び周囲の騒がしさを連れて来た。イチローが2年ぶりに首位打者に立った。いずれも3球目の若いカウントから打って出たセンター前ヒットだった。1本目は2回裏2死一塁で回った第2打席、カウント1-1から119キロカーブをとらえた。2本目は8回1死無走者の第5打席、カウント0-2から約153キロの速球を仕留めた。

 この時点で打率は今季3割5分6厘に上がった。この試合の前まで首位打者だったレイズのバートレットは、5月26日から故障者リスト(DL)入りしており、規定打席を満たさなくなったために、イチローが首位打者に躍り出た。

 それでもイチローの反応は無関心の域。「(打)率ねぇ…。(今は)あんまり興味ないっすね。でも時期が大きいわね」。

 以前、イチローは打率に関心を示さない理由を「打席に向かおうとする気持ちをそぐから」と話した。打率にこだわることは、四死球、欠場を含め、打って出塁するという信念と真逆の発想があり、数字の操作が可能にもなるからだ。

 最も意識する安打数は、2安打で、今季の通算77安打になった。この上を行くのはヒル(ブルージェイズ)とマルティネス(インディアンス)の78安打。完全射程圏内に入れた。1位に到達前に、気持ちを聞くことを自重した報道陣には「よくご存じで」とシニカルに返した。

 連続試合安打自己ベストを更新中、連日のように心境を聞かれ「もう勝手にやっててよ」の言葉も発したが、会見終了間際に再び向けられた打率首位の感想には「本当、皆さんでどうぞっていう感じだね」。これこそが今年の好調時のキーワード。昨年は女優沢尻エリカ風の「別に」が頻出した。頻出語は好調の裏返し。

 マ軍は8日昼のチャーター機でロード最初の地ボルティモアへ向かう。ロード打率王のイチローの周りがさらに騒がしくなることは必至だ。