【アナハイム(米カリフォルニア州)21日(日本時間22日)=大塚仁】エンゼルスのマイク・ソーシア監督(55)が、松井秀喜外野手(35)の打順については柔軟性をもって臨む構想を示した。インターネット上での地元ファンとのチャットに参加した際に、松井の打順に関する質問に「3番から5番、調子が悪いときは6番」と答えた。プレッシャーを与えかねない4番固定ではなく、他選手の調子も含めての「適材適所」でより効果的に起用したい考えを明らかにした。

 知将ソーシア監督は、松井をあくまで型にはめずに生かそうとしていた。ファンからの質問を受け付けるインターネットライブチャットで、ロサンゼルス在住のファンの「松井をどの打順で使おうと考えていますか?」という質問に、こう答えた。「ヒデキはとても重要だ。3、4、5番が打てるし、調子が悪ければ6番かもしれない。彼の周りを打つ選手の調子にもよるだろうね」。打線の中軸にすえながら、臨機応変に対応していく考えを示した。

 打線全体を見渡しながら采配を振るうソーシア監督らしい構想だった。中軸候補は松井のほかに右のハンター、左のアブレイユ、モラレスがいる。監督が「ランナーを返すこともできるし、チャンスメークもできる」と評するアブレイユは2番でも3番でも活きる。今季34本塁打とブレークしたモラレスの好調が続けば松井とともに中軸にすえることができる。松井の脇を固める打者の調子をよく見ながら、適材適所を見極めていこうという考えだった。

 ソーシア監督が松井を評価するのは、状況に応じた打撃ができる点が大きい。松井はヤンキースでもチーム打撃に徹し、勝利に結びつく打撃を常に意識してきた。この日も「彼がいることで打線のバランスが良くなるだろう。どこに落ち着くかは見てみないといけないが、中軸になるだろうね」と期待を示した。左投手を苦にしない点も、どの打順にも入れるというチームにとってのメリットを増幅させていた。

 松井は打順に関して「何番でも変わらない。4番でも6番でも、回ってくるまでの時間が違うだけ」と話し、打順にかかわらずチームに貢献できる打撃を心がけてきた。メジャーの4番に固定されるよりも、プレッシャーから解放されるメリットもある。個人記録ではなくチームの勝利、そして世界一だけを目標とする松井は、チームに求められる場所でその力を発揮する。