09年シーズンを終えたエンゼルス松井秀喜外野手(35)が30日、完全復活を宣言した。この日、ニューヨークから帰国。左ひざ手術明けのリハビリから始動した今季、不慣れな指名打者で定位置をつかみ、ワールドシリーズではヤンキースを9年ぶりの世界一に導いてMVP。新天地となるエ軍での目標を問われると「チームが勝つこと。オフに100%の力で走れる状態まで戻し、キャンプでは守備ができることを証明する」と外野手復帰に並々ならぬ意欲をみせた。
ワールドシリーズ制覇の夢をかなえた松井を、約300人のファンが温かい拍手で出迎えた。年の瀬も迫るこの日、渡米7年目で最も遅い帰国。「今年はいろいろありましたので、温かい言葉をかけてもらってうれしかったです」。無数のフラッシュと黄色い声援まで飛び交い、成田空港の到着ロビーは凱旋(がいせん)パレードのようなにぎやかさだった。
その後は成田市内のホテルに移動して帰国会見を行った。「僕的にはマイナスなこともたくさんあったけど、最後の試合ですべて吹き飛んだ感じです」と、シリーズタイの6打点と活躍したワールドシリーズ第6戦を振り返りながら「終わりよければすべて良し、とするなら、最後は素晴らしい結果」と念願の世界一に満足感をにじませた。同シリーズで日本人初となるMVPにも輝き「6試合で先発は3試合。それでも少ない打席でいい打撃ができて、オマケと言ったらあまりにも大きいですが、運が良かった」と喜んだ。
その7年在籍したヤンキースとはオフに決別。すでに視線は、新天地で目指すWシリーズ「連覇」に向く。「ヤンキースにいたときと変わらず、チームが勝つために努力したい」と勝利優先を口にし、そして願ったのは「スプリングトレーニングで守備ができることを証明する。(週に)何試合か守れる準備をする」と、外野手として「再生」への強い意欲だった。
入団交渉でソーシア監督から守備機会を保証されてはいるものの、まだチーム内の競争で勝ち取ったものではない。守備力だけなら、正左翼手で強肩のリベラ、控えでも守備範囲の広いマシューズ、俊足ウィリッツには及ばない。両ひざの状態次第では、再びDH専任に追いやられる可能性も否定できない。
競争に関しては当然自覚しており、2月上旬の再渡米までのテーマも「100%の力で走れることが1番の目標です」と「走」の不安を取り除くことを掲げた。また両ひざの回復状況も「夏ごろから大分良くなっている」と手応えを感じている。慌ただしいオフを過ごすが、例年通り31日に故郷・石川に帰省。1年契約となる新たな勝負の年に備えて、つかの間のオフで英気を養う。【中島正好】



