ア・リーグ中地区を連覇したツインズがポスティングシステム(入札制度)でロッテ西岡剛内野手(26)に最高入札額を申請した可能性が高いことが25日、分かった。スポーツ・イラストレーテッドの名物記者ジョン・ヘイマン氏が「ツインズが相当額の入札金を入れた」と伝え、地元でもツ軍初の日本人メジャー誕生で盛り上がっている。ロッテは今日26日に約500万ドル(約4億円)とみられる入札額の受諾を表明する予定で、ツ軍を筆頭候補とする落札球団も判明しそうだ。

 積極的なポスティング戦略を仕掛けるツインズに「当確」の第一報が伝わった。ヘイマン氏は米国時間24日深夜(日本時間25日)、ツイッター上で「ツインズがニシオカに相当額を入れた、と聞いている。二塁と遊撃を守れ、いい打者」と、ツ軍が入札した事実を明かした。ツ軍は楽天岩隈のポスティングにも参戦しており、1000万ドル(約8億円)を超す入札を行った。金額はアスレチックスの次点と報じられており、今オフは日本人選手の獲得に本腰を入れている。

 ビル・スミスGMも18日まで行われていたGM会議の期間中に「彼のことはよく知っている。スピード、俊敏性、守備力とも申し分ない」とラブコール。駆け引きのため動向を隠すのが通例のポスティングでは珍しく、ただ1球団、入札意思を表明していた。

 ツ軍にとって二遊間は最優先の補強ポイント。FAになったハドソン二塁手には年俸調停を申請したが、引き留める意思はなく、ドラフト指名権を得るための措置。年俸調停権を持つハーディ遊撃手は故障続きの上に今季年俸も510万ドル(約4億円)と高く、再契約を提示されずFAになる可能性がある。この5年間で3度のプレーオフに進出するツ軍だが、地区シリーズはいずれも0勝3敗で敗退。打てる二遊間の獲得は「悲願」だった。

 西岡の獲得資金でも問題はない。昨年まで総年俸20位以下の資金難に泣かされていたが、今季は新球場ターゲットフィールドがオープン。前年より100万人以上も多く動員して収益を上げており、看板選手のマウアーと8年1億8400万ドル(約147億円)の大型契約を結ぶなど、総年俸は10位まで急上昇した。予想落札額は、ア軍との交渉が難航する楽天岩隈の約1/4。低く抑えられたことは契約交渉には追い風といえ、「日本一の主将」にふさわしい大型契約も夢ではない。